読書偏食家

本をジャケ買いするみたいにして選びたい

『温室デイズ』 瀬尾まいこ


温室デイズ (角川文庫)

温室デイズ (角川文庫)

 
さらさらと読みやすく、しかしなんの変哲もない小説という感触。
歯車がひとつ動いて終わる。
ひとりひとりの人間にそれぞれの事情があり人生がありストーリーがある、ひとりひとりがそれぞれ頑張っている
 
のに、
歯車はひとつしか動かない。
 
現実はそんなもんなんだろうけど、小説なのだからもう少し動いて欲しかったなあ…。あとは読者の想像にお任せ、の無責任のようにも感じてしまった。
よって、学校という情景を、3人の学生の心情を、歯車がひとつ噛み合った偶然を、ただつらつらと書き綴った変哲のない小説になってしまったかんじ。
 
読む人によっては、これを偶然じゃなくて奇跡と捉えるのかもしれなーい。
それなら楽しめると思います。私は楽しめなかった〜。