読書偏食家

本をジャケ買いするみたいにして選びたい

『旅のラゴス』 筒井康隆

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)


本は専ら図書館で借りて読む派ですが、この本は買って手元に置いておくのもいいな、と思った数少ない本。いや、買いたい!って思った初めての本かも。

超自然的な能力がしれっと存在する世界でありその点はSFなんだけど、
なんだかそれが酷く自然で合理的な描き方で、
かつ、主人公が、完璧かよ!と突っ込みたくなるほどの理性と知性と倫理観のある人で。
そんな主人公が旅をしていろいろな人と触れ合ったり経験することで人間的な成長を重ねるところも読み応えあって。
そして最後に迎える静寂、それがひどく愛おしくて。

うーむ、こんなに地に足の着いた人間らしいSFもあるのかー、、と心底惚れ惚れしました。
筒井康隆さん、七瀬シリーズを中学生の時に読んで以来でしたが、もっともっと読みたくなりました。


頭が疲れた時に読むとSF感で頭がほぐれるし、
頭が元気な時に読むと想像と思考を刺激されるし、
旅行中に読むのも共鳴することがありそうでいい。
万能感!いい本に出会ったなあー♪