読書偏食家

本をジャケ買いするみたいにして選びたい

『旅屋おかえり』 原田マハ

旅屋おかえり

旅屋おかえり


売れないタレントが偶然の出会いと周りの人脈で旅行代理人なる仕事を始める、というあらすじからして興味そそられる内容。

マハさんのしなやかな描写がするりと心に溶け、人情にあふれた面々とのやり取りに何度も涙する。心地よい小説でした。

タイトル通り、旅が一貫したテーマですが、旅を通した人とのつながり、家族を思う気持ちに焦点があります。
小説のテーマとしては、家族を思う気持ち、なーんてすごくありふれてるけど。
旅の景色の描写や町の成り立ちに思いを馳せながら読むから、温もりがあってよかったです。素直に(*´ω`*)


強いて言うなら、予想通りの展開過ぎて、ふと気持ちが冷めることがあって残念かな〜。
やっぱりじーんとくるんだけど、じーんとさせようとしてるよね?って思ってしまうというかね。。

タイトル的に、旅行に行く時に持つ本としてさくっと選んでしまいがちですが、
南国の浜辺でのんびり読むには向かない一冊だったかな…リゾート地のリラックス感と、主人公おかえりの旅程ぎっしり感が相入れないからかな?