読書偏食家

本をジャケ買いするみたいにして選びたい

『世界から猫が消えたなら』 川村元気


表紙の猫が可愛くて一目惚れ、で読み始めました。

読み終わって、川村元気さんのプロフィールを読んで納得、すごくビジュアルが計算されているという印象を受けました。
でも、打算ではなくあくまで計算で、嫌なエンタメ感は無く良かったです。

家族や愛する人と自分、生と死、
存在する、という意味
小気味よいタッチで語る重たいテーマは、まさに文中にあったように、悲しいシーンには明るい音楽を、の具現化で筋があって気持ちがよかった!

随所に響くフレーズもあって、
例えば、
悪魔の姿とは、自分のなりたくてなれなかった姿、みたいなところとか。
そんな響きがいくつか手元に残るような小説で読み応えあって良かったなあ。

猫が好きだから読もう!という人にはオススメしないかな〜。作中の猫の存在は極めて重要ではあるけど、本質は猫ではないから。

映画化もされるみたいですね、やはり。
映画のような小説ですが、小説のエッセンスが残るように映画にするには難しそう。他に目が行ってしまいそう…。