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読書偏食家

本をジャケ買いするみたいにして選びたい

『いちばん初めにあった海』 加納朋子

 

いちばん初めにあった海 (角川文庫)

いちばん初めにあった海 (角川文庫)

 

 今年になってから気になってる作家さん。数冊読んでみただけですが、この方の本は、ジャンルはミステリーなんだけど、ストーリーがミステリーなんじゃなくて、構成でミステリーにさせているように思います。

だからするりと引き込まれますが、ミステリー好きには詰めが甘くて物足りないのではという気がします。
 
私には、加納朋子さんの作品は好きな塩梅です。
 
ほどよくわくわくとスリルがあって、ほどよく人情にじわりとして。(とにかく人が殺される話は嫌いなので。)
 
表題作の「いちばん初めにあった海」と2作目の「化石の樹」は関連している話。
どちらももう1度読んで噛み締めたい。
 
自分が逃げていること、封じてきたこと、その行為は自分を守るために必要でしてきたことかもしれないけれど、
でももしかして、その局面で自分を支えてくれた人や物のことも一緒に封じてきてしまってないか、
少しどきりとしました。
 
何かを忘れてきたという気持ち悪い感覚は、思い出し方が分からないから残るもの。
怖いけれど、自分にきちんと向き合う必要があるなと妙に納得した作品でした。
 
うーん、加納朋子さん、好きだな。