読書偏食家

本をジャケ買いするみたいにして選びたい

『本屋さんのダイアナ』 柚木麻子

 

本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

 

 本が好きな女性にはたまらない作品!!そして、一歩前に進む勇気を与えてくれる作品でした。

 

 本が大好きな2人の女性の、小学生から大学3年生になるくらいまでを追ったダブルヒロインもの♡お嬢様とヤンキーというダブルヒロインものにありがちな対称的な女性たちで、その比較もとても興味深くて共感が持てます。

 

多感な時期、たくさんの分かれ道、恋に将来に、その大前提に自分の生まれ持つ境遇に、たくさん悩みながら道を作っていく…とっても気持ちのいい作品でした。

 

 

『異類婚姻譚』 本谷有希子

 

異類婚姻譚

異類婚姻譚

 

さらさら読めるのに、読むのが辛い、奇妙な感触でした。

 夫婦がだんだん似てくるというのは、微笑ましい反面、自分が無くなっていく危機感を感じるものです。でもそんな自分は敏感すぎなのかなー?とモヤモヤすることがあったのですが、まさしくそこを焦点にしてくれた作品で気持ちよかったです。

 自分に素直であれという、最もシンプルで最も大切なことを改めて叫んでくれる本でした!

 

 モヤモヤを形にできる作家さん、ほんとすごいと思う。

『あまからカルテット』 柚木麻子

 

あまからカルテット (文春文庫)

あまからカルテット (文春文庫)

 

 中学からの友達のアラサー女性4人組。

アラサーが必ずぶつかる恋に結婚に仕事の悩み…を、ひとつひとつ乗り越えていくお話し。

 友達がいたから乗り越えられた!!みたいな安さを少し感じましたが、それだけではなくって

ひとりひとりが成長して自分の道を開いていくところが読み応えありました。

 

 同世代の女性におすすめ☆

 

 

『生きてるだけで、愛』 本谷有希子

 

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

 

 

 エキセントリックに蓋して火でグツグツしたような話でした。でも、異端とは思わなくて、思えなくて、わかる…わかるよその気持ち、その行動…!!!と思いながら読みました。エキセントリックに普遍があるとは。

 

 自分に素直に生きたいという愛おしい思いを愛で労うような、シンプルな読後感。タイトル、うまい。

 

『人生相談』 真梨幸子

 

人生相談。

人生相談。

 

 新聞のお悩み相談コーナーを中心に繰り広げられるミステリー。登場人物が多く、しかも作家が出て来るので本名とペンネームがあったりして、複雑な相関図になります。そーゆーのが得意な人にはおすすめ( ^ω^ )

 

 物語にぐいぐい引き込まれて、最後に暴かれるびっくりな真相は、なんか信じられないものを見た感じで。そういえばこれ伏線か…あれも伏線か…って何度か気になるところを読み返さずにはいられなくて。一筋縄でいかないところ、複雑なところ、ミステリーの醍醐味たっぷりで楽しかったです!

 逆に言うと、読み返さないとしっくりこない真相って複雑すぎるでしょー、、と思わないでもないのですが。論理的でないから頭に入ってこないとも言えるかな。

 

 でも、この糸が縒られていく感じ、大好き♡

まりさちこさん、他にも読んでみたくなりました!