『人生相談』 真梨幸子
新聞のお悩み相談コーナーを中心に繰り広げられるミステリー。登場人物が多く、しかも作家が出て来るので本名とペンネームがあったりして、複雑な相関図になります。そーゆーのが得意な人にはおすすめ( ^ω^ )
物語にぐいぐい引き込まれて、最後に暴かれるびっくりな真相は、なんか信じられないものを見た感じで。そういえばこれ伏線か…あれも伏線か…って何度か気になるところを読み返さずにはいられなくて。一筋縄でいかないところ、複雑なところ、ミステリーの醍醐味たっぷりで楽しかったです!
逆に言うと、読み返さないとしっくりこない真相って複雑すぎるでしょー、、と思わないでもないのですが。論理的でないから頭に入ってこないとも言えるかな。
でも、この糸が縒られていく感じ、大好き♡
まりさちこさん、他にも読んでみたくなりました!
『四月一日亭ものがたり』 加藤元
『ふたりの文化祭』 藤野恵美
藤野恵美さんの本を何気なく2冊借りてきたら、2冊とも同じ高校が舞台でびっくりしました。こーゆうのって、嬉しい(*´ω`*)
高校1年生の、文化祭のお話し。
爽やかバスケ部イケメンと、物静かで本が大好きな図書委員女子
2人の文化祭準備から当日までの変化と軌跡。
残念なのは、文化祭当日の部分が急ぎ足感があるところ。あれやこれやと急激にいろいろなことが起こりますが、そのことへのショックがあまり無く不自然。
サクサクと描き進められ、チャカチャカと主人公2人の気持ちに大きな変化が起き、
え、、、っと、なんでかな??みたいな。
壮絶な置いてけぼり感。
伏線はあったから理解はできるけど、気持ちの変化をもう少しじっくり表現して欲しかった。強引過ぎる。
良かったのは、「わたしの恋人」もそうだったけど、親子関係の悩みをものすごくストレートに分かりやすく、恐れず描くところ。
そして、親は親、子は子だよ、という自立心と自尊心を奮い立たせ、厳しく温かく縮れた気持ちや伸びきったプライドを
それは例えばピザ生地をこねて成形していくみたいなかんじに
まるくまるく整えてくれる、ところ。よかった。
この作品には不満があるけど、
藤野恵美さんはとても良いなと思いました。もっと読もう٩( 'ω' )و
『わたしの恋人』 藤野恵美
初めて人を好きになり初めて付き合う高校生の話。
同時に、親のことで悩み、家庭や個人の問題に恋人として友人としてどう関わるか…という綺麗事だけでは済まないリアリティのあるストーリーになっています。
言葉はサラサラと流れるように自然で素直で心地良く、
この二つのテーマが「愛する」という気持ちを立体的にさせていて、
この本を自分が高校生のときに読めたらなあ…とちょっと悔しくなりました。
あーなんか心が洗われた!
『ロマンシエ』 原田マハ
昨年12月に東京駅のステーションギャラリーで本作と連動した展覧会が開かれていたそうな…!過去と現在(未来)、フィクションとリアルの境目を繫ぎとめて無にしてしまうパワー、技術、なんかとっても原田マハさんっぽい。
小説はというと。
これでもか!っていうくらい盛大なノリとテンションで畳み掛けてくるので、疲れました。最初はいちいち笑いながら読んでいましたが、途中から、まさかこのまま行く気ですか…ってうんざりした気分になり。
そのくせ、クライマックスの失速感とテンション低下(良く言えば「落ち着き」)は尻すぼみ感というザラザラを残し…。
とは言え、総じて良かったな〜と思わせるのは、
やっぱりマハさんの芸術への愛情と知識が、しっかりしたストーリーの土台を作っていたから、だと思います。
マハさんの作品にある、前を向かせる力強さは健在、
リアルへの挑戦という面白さもあり、
やはり今回もマハさん好きだな〜と思わずにはいられませんでした。